MOS-FETの死亡判定方法その2


このページではMOSFETの壊れ方から、
そのFETがどのような要因で壊れたものかを判別してみます。

MOSFETも他のデバイス同様に、無理な条件が加わると簡単に壊れてしまいます。
そして壊れた時に「なぜ壊れたのか」が分かる場合、「その機器全体に何が起きたのか」
を知る重要な手がかりとなる事が多々あります。

しかし現実にはいくつかMOSFETを壊した体験のある人しか
その破壊の状況を知ることが難しいものです。

と、言うワケで。
主に私の経験を主体としてですが、破壊の状況(外見)から
破壊の状況(電気的状況)を見てみましょう。

爆発、発火を伴う破壊


DRSSTCの製作初期によくある破壊です。
破壊時の様子は

こんな感じ。
まさに爆発、発火を伴う破壊です。
傍から見ていて一番良く分かる破壊でもあります。
そして残り物はこのような形になります。
MOSFET死亡
MOSFET死亡
モールドが吹っ飛んでいます。

こうなる状況として、ドレイン-ソース間の耐圧オーバーが原因である事が一番多いです。
この場合はDRSSTCの1次コイルから帰ってくるスパイク電圧が原因でした。
因みに、ゲート保護用にツェナーダイオードがゲート-ソース間に入っている場合は
そのツェナーダイオードも一緒に死にます。

慣れない内は「ゲートに過電圧が掛かったせい」と考えがちですが、
実際は
ドレイン-ソース過電圧

ドレイン-ゲート間絶縁破壊&導通

ツェナー過電流により破壊+ドレイン-ソース間導通

という流れで死んでいる様なので
ツェナーの死亡は副次的損害なワケです。

扱う電流が素子に対して十分に小さい場合は
上記の様に爆発、発火をしない事もありますが、
その辺の見極めは最早経験としか言えないのでカットします。
しかし、その場合でも大体ツェナーはしっかりと死んでくれるので、
死亡状況の把握は可能です。

で、これを防ぐ方法ですが。
恒常的に過電圧が起きる場合にはまず設計を見直すべきです。
そうでない場合、一瞬だけ過電圧が掛かる場合などは
スナバ回路が有効です。
良い半導体を選ぶよりも安く上がります。



音も光も無く、ドレイン-ソース間が導通(ショートする)


モータードライブ用のHブリッジ(以下M用インバータ)の製作や、
SSTCの製作途中で一番多く出くわす故障がコレでしょう。
こいつの原因は殆どの場合、過電流によるものです。

破壊時にはパッと見、特に変化も無く壊れます。
ただ、電源にヒューズが入っている場合にはヒューズの飛ぶ光で分かりますし
スライダックが入っている場合には、スライダックが「ム”ーーーーーン」と猛烈に唸るのでそれでも故障が分かります。

因みに音も光も無く、と冒頭で書きましたが、
電源にカーバッテリーの様な、大電流が流せる電源がヒューズも無しに繋がってたりすると
流石に火がでます。

M用インバータの場合は流れる電流にある程度アタリを付けて
電源周りから製作をするので、あまりこの手の故障で火を噴くと言う事はありません。

対策としては、まずもう1ランク電流容量の大きい素子を使うか、
MOSFETを何個か並列に使う事を考えましょう。
MOSFETは正の抵抗特性(温度が上がる→ON抵抗が上がる)を持っているので
何の気なしに並列に繋いでも案外平気だったりします。
因みに私はDRSSTC製作の際、バランス抵抗等の特別な対策無しに4並列までは繋いだ事があります。

次に本当にその場所はMOSFETでなければならないのか、もう一度考えてみましょう。
余程スイッチング周波数が高いとかで無ければIGBTを使う手も有ります。
スイッチング周波数200kHz以下、ピーク電流20A以上であれば、
私だったら多分IGBTを使います。(2010/08/29現在)

ドライブする物が共振回路の様なQ値を大切にする物ならなおさらの事。
MOSFETなんて使ってられません。





とりあえず今はこんなもんで。
その内増えるかも?

ではノシ